1 プロポリスとは
ミツバチが樹皮から採取した樹液や樹脂、あるいは、新芽、つぼみ、花粉など、多くの成分を噛み砕きながら自分の分泌物を混ぜ合わせて作ります。これを巣にコーティングすることによって、巣の補修を行ったり、その強力な殺菌作用によって、巣の中を清潔な状態に保っています。
また外から侵入する異物に対しての防腐効果や食料危機時の非常食の役割も果たします。巣箱の中には通常2〜5万匹ものミツバチが暮らしているため、この過密状態の中でのウイルス等による感染は致命的となります。彼らはこのプロポリスのおかげで4000年以上もの間、ほとんど進化する必要がなかったと考えられています。
プロポリスの語源はポリス(都市)とプロ(ラテン語で支える、守るの意味)という言葉からだと言われています。まさに彼らの要塞であり、守護神的役割を果たしているようです。
古代エジプト人がミイラ作りに使用したり、バイオリンの名器、ストラディバリウスに使われた(ニスに混ぜて)という話は有名です。
2 プロポリスの歴史
1985年に第30回国際養蜂会議が名古屋で開催され、各国の研究者によるプロポリス治療例が発表されてから、その存在が日本国内の養蜂家に広く認知されるようになりました。しかしプロポリスの歴史は遥か紀元前にさかのぼる。
紀元前、古代エジプト人はミイラの防腐剤に使用したと言われ、かのクレオパトラも病気と老化防止に愛用していたようです。
また、6世紀のアラビアの文献によれば、プロポリスが浄血のために使用されたとあり、腫瘍や潰瘍などの病気にとくに有効であることが強調されています。
16世紀頃インカ人は熱性伝染病の治療に用いていたし、太平洋の島々で腹痛、炎症の治療に使われる自然薬品「カワカワ」はプロポリスが主原料の一つであることがわかっています。
現在でもプロポリスを民間療法的に「万能薬」として使用している例はめずらしくありません。例えばラップ人は排尿障害や有毒性排尿困難などの症状に対する特効薬として使っています。
また、ヨーロッパをはじめ、アジア、アフリカ、北アメリカでは、歯や歯ぐきの健康のためにプロポリスをかむ習慣が今でも残っています。
3 プロポリスの成分
プロポリスにはポリフェノールの一種であるフラボノイドが含まれています。フラボノイドは、光合成を行うことができる植物やその他の生物に含まれる色素の一種です。
加齢とともに抗酸化物質SOD(スーパー・オキシド・デムスターゼ)が減少しますので、ガンや老化の防止にはこれを補うのが有効です。
フラボノイドは細胞膜を強化し、細胞全体の働きを活発化したり、増えすぎた活性酸素を抑制する抗酸化作用に優れた成分です。
抗ウイルス作用や止血、消炎、麻酔、抗アレルギー、抗ストレス作用など治療面の働きもあるようです。
プロポリスにはこのフラボノイドが20種類以上含まれており、特にカフェ酸フェネルエステル、ケルセチン、クレロダン系ジテルペンは、強い殺がん作用があるといわれており、アルテピリンCは正常な細胞には害を与えず、副作用もなくがん細胞だけを攻撃するといわれています。
このようにプロポリスが効くのは、フラボノイドが効くからといっていいほどその働きは重要です。
プロポリスの成分※1
成 分 |
蛋白質
脂肪
繊維
糖質
灰分
水
ビタミンB1
ビタミンB2
ビタミンB6
ビタミンE
葉酸
パントテン酸
イノシトール
ニコチン酸(ナイアシン)
ビオチン
マンガン
リン
鉄
カルシウム
カリウム
マグネシウム
銅
ケイ素
リノール酸
リノレン酸
ビタミンP(ケルセチン) |
1.5(%)
47.0(")
3.3(")
19.0(")
26.4(")
2.8(")
0.01(mg/100g)
0.12(mg/100g)
0.10(mg/100g)
3.8(mg/100g)
7(μg/100g)
0.08(mg/100g)
6(mg/100g)
0.21(mg/100g)
1.7(μg/100g)
18.2(ppm)
37.1(mg/100g)
172(mg/100g)
3360(mg/100g)
114(mg/100g)
2470(mg/100g)
9.39(ppm)
1980(mg/100g)
300(mg/100g)
100(mg/100g)
75(mg/100g) |
(アミノ酸組成) |
アミノ酸:タンパク質を構成する最小単位 |
アルギニン
リジン
ヒスチジン
フェニールアラニン
チロシン
ロイシン
イソロイシン
メチオニン
バリン
アラニン
グリシン
プロリン
グルタミン酸
セリン
スレオニン
アスパラギン
トリプトファン
シスチン |
0.04(%)
0.03(%)
0.02(%)
0.04(%)
0.03(%)
0.08(%)
0.06(%)
0.02(%)
0.06(%)
0.07(%)
0.06(%)
0.06(%)
0.11(%)
0.07(%)
0.05(%)
0.10(%)
0.05(%)
0.03(%) |
★ポリフェノール(特にフラボノイド)について
ポリフェノールとは光合成によってできた植物の色素や苦み成分で、同一分子内に2個以上のフェノール性水酸基(ベンゼン環、ナフタリン環などの芳香族環に結合した水酸基)をもつ化合物の総称です。以下に示すような多くの種類のポリフェノールが主として植物界に広く分布しています。
ポリフェノールの体系※2
★アレクリン系のプロポリス
アレクリンはブラジル、ミナスジェライス州やサンパウロ州などの地域に植生している1〜2m程のローズマリーに似た植物です。
ユーカリやアレクリンなどの木からミツバチが採取したプロポリスが高品質とされており、特にアレクリンの成分が多いほど緑が濃くなり、より高級で高価であるといわれています。 |
アレクリン |
4 プロポリスの効用
プロポリスには強力な殺菌効果と防腐効果があります。樹液や果実の皮には内部を守るための複雑な抗菌成分があり、これはリンゴの皮などを剥いてしまうとみるみる変色してしまうのを見てもわかります。
その他、フラボノイドの効果により多様な薬効が報告されています。近年、抗生物質の乱用が問題視されている中で、プロポリスの安全性と効果が見直されてきました。
各種抗生物質と病原菌に対する効果比較※3
病原菌 \ 抗生物質 |
ペニシリン |
テトラサイクリン |
アンピシリン |
モノミシン |
プロポリス |
黄色ぶどう状球菌 |
+ |
++ |
+ |
- |
+++ |
溶血性連鎖球菌 |
+ |
++ |
+ |
- |
++ |
尋常変形菌 |
+ |
+ |
++ |
+ |
+++ |
staphitococcus yiridans |
+ |
+ |
++ |
+ |
+++ |
(+)やや効果、(++)効果、(+++)非常に効果、(-)効果なし
★主な効用
殺菌・抗菌作用、抗ウイルス作用、消炎作用、抗ガン・免疫力強化・抗ガン剤副作用軽減作用、抗アレルギー・免疫調整作用、血管強化・血流調整作用、内分泌・代謝改善作用、ストレス緩和作用、組織再生作用、活性酸素抑制作用、鎮痛作用など
★各疾患に対する効果※4
ガン疾患
乳ガン、胃ガン、大腸ガン、前立腺ガン、等々
循環器系
高血圧、低血圧、浄血、心臓病、胃炎、大腸炎、肺炎、動脈硬化、等々
内分泌系
糖尿病、高脂血症、パセドー氏病、花粉症、等々
脳神経代謝系
糖尿病、リュウマチ、自律神経失調症、ノイローゼ、等々
呼吸器系
慢性気管支炎、インフルエンザ、じんましん、喘息、等々
生殖器系
生理不順、生理痛、更年期障害、精力減退、等々
泌尿器系
膀胱炎、前立腺肥大、腎不全、等々
皮膚系統
水虫、アトピー性皮膚炎、ニキビ、やけど、切り傷、等々
その他
口内炎、アレルギー、花粉症、冷え性、神経痛、五十肩、二日酔い、歯槽膿漏
肩こり、眼病、口臭予防、育毛、老化防止、等々
★強力な麻酔作用
火傷や切り傷などの外傷、または歯痛などに対して、患部に塗布すると、痛みが和らぎます。これはプロポリス独特の強力な麻酔作用(コカインの約3倍の麻酔力が報告されている)によります。また、消炎効果により早期の回復が可能となります。
いずれにしても、プロポリスの薬理成分の研究は現在進行中で、今後の研究成果が期待されています。
5 プロポリスの用法
コップに半分ほど水を入れ、プロポリスを10数滴ほど滴下する。ヤニが浮く場合がありますが、そのまま飲んでなんの問題もありません。
風邪の引きはじめなどにこれでうがいをすると効果抜群です。
口内炎の時などは、綿棒に原液をつけて直接塗布します。綿棒の先をちょっとほぐしてから行うと、プロポリスが付着しやすく、塗布するときの痛みを和らげることができます。
咳がひどいときには同じ要領で喉に直接塗布してください。
また、歯ブラシにつけて磨くと、歯槽膿漏や口臭の予防になります。
※ここで面白い事例をご紹介します
某愛用者からの報告ですが、胃の調子が悪いというので、知人の医者に検査をしてもらったところ、かなり重度の胃潰瘍とのことでした。そこで、毎朝プロポリスを飲んで、2ヶ月後に再び検査したところ完治していたそうで、その医者が大変に驚いたそうです。実は某愛用者が編み出した?飲用に際しての方法とは「飲んだ後すぐに横になり、左右にそれぞれ1回づつ回転して、胃壁にまんべんなくプロポリスが塗布されるようにする」というものでした。
考えてみれば、プロポリスには強力な消炎作用があるために、それが胃壁全体に塗布されれば、炎症が改善されたとしても不思議ではありません。胃の調子の悪い方は是非ためしてみてください!
朝の空腹時には胃の中になにもないので、プロポリスが胃壁全体に行き渡るので効果的とのことでした。 |
★ヤニの付着とにおい
ヤニがつきますので、コップは専用の物がよいでしょう。ヤニは水では落ちませんが、市販の薬用アルコールで拭くとよく落ちます。ヤニが着くことによる見た目を気にしなければ無理に洗い落とすこともありません。それより、ピクニック用の使い捨てコップなどを利用し、定期的に廃棄してしまうのがお薦めです。
プロポリスは独特の臭いがあります。今まで嗅いだことがないような臭いなので好き嫌いがあるかもしれませんが、慣れてくると気になりません。むしろ、「森の精」を思わせるようなその香りは心身をリラックスさせ、気持ちを落ち着かせるといったアロマセラピー的な効果があります。市販のうがい薬にあるような消毒臭さに比べれば雲泥の違いがわかります。
★おいしく飲む方法
コップにハチミツを小さじ1〜2杯いれてプロポリスと混ぜ合わせた後、牛乳またはジュースを加えるなど、好みに合わせていろいろと試してみてください。
特に、ビタミンCを含む食材との併用がお薦めです。フラボノイドに含まれるビタミンPはビタミンCとの併用によって、血管を丈夫にしたり、抗ウイルス効果がより高まるといわれています。(プロポリスにはビタミンCが含まれておりません)
ビタミンCを多く含む食材には次のようなものがあります。
(いちご、柿、キウィフルーツ、キャベツ、さつまいも、とうがん、夏みかん、ネーブルオレンジ、パセリ、ピーマン、レモン)など
6 参考文献及びプロポリス関連書籍
書籍名 |
著者 |
出版社 |
備考 |
ガンに効くポロポリス全集 |
編著 石塚 忠生 |
講談社 |
|
第一線臨床医が報告する驚くべき効用 |
医学博士 城後 昭彦 |
広済堂 |
|
臨床医が発表したプロポリス実例集 |
編集発行人 長谷川 佳哉 |
東洋医学舎 |
|
プロポリスの薬効・活用大辞典 |
医学監修 白坂 龍曠
責任編集 石塚 忠生 |
講談社 |
|
プロポリスでガンに克つ |
医学博士 菅野 光男 |
現代書林 |
|
進化した抗ガンプロポリス |
大西 淳一 |
|
|
プロポリス美容健康法 |
谷口 明 |
現代書林 |
|
プロポリス 健康読本2 |
編集発行人 長谷川 佳哉 |
東洋医学舎 |
|
プロポリスで救われた |
徳永 勇治郎 |
いずみ出版 |
|
ポロポリスの驚異 |
医学博士 瀬長 良三郎 |
二見書房 |
※1 |
プロポリスの凄い薬効 |
医学博士 木下 繁太朗 |
主婦と生活社 |
|
プロポリス−その薬効を探る− |
理学博士 松野 哲也 |
二見書房 |
|
プロポリスならアトピー体質が根こそぎ治る |
谷口 明 |
現代書林 |
|
プロポリス 健康読本1 |
編集発行人 長谷川 佳哉 |
東洋医学舎 |
|
改訂新版 プロポリス−その薬効を探る− |
理学博士 松野 哲也 |
二見書房 |
|
プロポリスの真実 |
日野 光雄 |
講談社 |
|
プロポリスがよくわかる本 |
佐伯 義弘 |
こま書房 |
※4 |
プロポリス健康革命 |
高城 修三 |
高橋書店 |
|
最新版 プロポリスがよくわかる本 |
佐伯 義弘 |
こま書房 |
|
プロポリス維新が始まった!! |
中原 隆 |
こま書房 |
|
プロポリスで難病に克つ |
医学博士 前田 華郎 |
マキノ出版 |
|
ガン予防の女王プロポリス |
医学博士 前田 華郎 |
冬青社 |
|
ガンに効く驚異のプロポリス |
医学博士 木下 繁太朗 |
講談社 |
|
病気を治すプロポリス療法 |
医学博士 瀬長 良三郎 |
リヨン社 |
|
いまなぜプロポリスか |
理学博士 松野 哲也 |
曜曜社出版 |
|
天然の家庭常備薬 プロポリス |
理学博士 神津 健一 |
国際細胞栄養学会 |
|
特効!プロポリスの威力 |
井上 敦夫 |
現代書林 |
|
ガンに効く「プロポリスの疑問にすべて答える」 |
沖山 明彦 |
講談社 |
|
ヒット商品の秘密「プロポリス」消費者の立場から徹底検証 |
中山 薫 |
一光社 |
|
医師が使い始めた「ガンに勝つ機能性食品ベスト7」 |
旭丘 光志 |
DHC |
|
プロポリス療法Q&A、天然の免疫素・末期ガンに驚異の効果 |
前田華郎、浅見 巴仁 |
日本免疫療法研究所 |
|
健康の科学3 |
医学博士 川村 賢司 |
東洋医学舎 |
※3 |
機能性成分、食品製造・流通データ集 |
津志田藤二郎 |
産業調査会 |
※2 |
フラボノイドの抗酸化活性、抗酸化物質のすべて |
寺尾 純二 |
先端医学社 |
※2 |
食品中の生体機能調節物質研究法 |
川岸 舜朗 |
学会出版センター |
※2 |
からだの毒素はプロポリスでとれる |
徳永勇治郎 |
現代書林 |
|
プロポリス健康法 |
徳永勇治郎 |
現代書林 |
|
プロポリスの実力 |
谷口 明 |
講談社 |
|
|