春ウコン ウコン 秋ウコン

1 ウコンとは

 ウコンはアジア原産の生姜科の多年草です。一般に高温多湿を好み、南アジアを中心にアジア、アフリカ、中南米の各大陸の熱帯、亜熱帯にかけて広く自生しています。日本での主な産地は沖縄ですが、その歴史は1500年頃に中国大陸から伝わってきたとされています。

 沖縄では昔から肝臓の妙薬とされ、弱った肝臓の働きを回復させ、暑い夏を乗り切るために用いられてきました。ウコンはまた、染料・着色料としても用いられています。代表的なものにカレー粉やタクアンがありますが、黄色く見せているのは秋ウコンの成分であるターメリック(クルクミン)です。

2 ウコンの成分

 ウコンの仲間は世界中で50種類ほどあるといわれていますが、日本でなじみが深く薬効が期待されているのは、春ウコン(キョウオウ)と秋ウコン(ウコン)です。春ウコンは春に「ピンクの花」が咲き、秋ウコンは秋に「白い花」を咲かせます。 

 成分の主なものは、色素成分のクルクミンと精油成分であり、その他にもミネラルや食物繊維、それとまだ解明されていない成分が1000種類以上含まれているといわれています。

 春ウコンには精油成分が多く、秋ウコンはクルクミンが多く含まれています。どちらかというと春ウコンは薬用、秋ウコンは食用といった位置づけにあります。特に春ウコンには渋みと辛みがあり、食用には適さないようです。

3 ウコンの効用

 クルクミンは肝機能の強化、精油成分には抗ガン(抗酸化)作用や炎症を抑えたり、コレステロールを溶かす役割があります。 

各疾患などに対する効果

疾患と効果 成分
 ガン疾患など
 
クルクミンや精油成分には抗酸化作用があるので、ガン予防効果
   がある
 ○抗酸化物質SOD(スーパー・オキシド・デムスターゼ)は肝臓で作られるが
   ウコンには肝機能を強化する働きがあるので、ガン予防に有効

 循環器系
 ○肝臓の働きを活発化させるので、肝機能の回復に効果的。また
   胆汁の分泌を促進させる作用がある。
   胆汁がたくさん分泌されれば、消化吸収を助け、腸運動が活発に
   なり、胃腸の調子が良くなる
 ○胆汁の主成分である胆汁酸は、脂質の消化吸収に重要な役割を
   果たしている。この胆汁酸を作り出すにはコレステロールが必要
   なので、体内のコレステロールを減らすことができ、動脈硬化など
   が予防できる
 ○ウコンの精油成分には殺菌作用があり、病原性大腸菌や胃潰瘍
   の原因とも言われているピロリ菌も除去する効果が発見されてい
   る
 ○精油成分のアズレンは炎症や潰瘍を治す作用があり、また胃液中
   の ペプシンの働きを抑える働きがあるため、アフタ性口内炎や
   胃・十二指腸潰瘍の治療薬として使われている
 ○高血圧の予防など

 脳神経代謝系
 ○精油成分のカンファーは神経を興奮させる作用があり強心作用を
   もっている

 泌尿器系
 ○精油成分α-クルクメンは体内のコレストロールを溶かす役割があり
   尿道結石の予防に有効
 ○クルクミンの利尿促進作用により体内の老廃物が排出され代謝を
   よくする
 
 その他
 ○胆汁の分泌が促進され、胃腸の消化機能が高まることや食物繊維
   などの働きにより、便秘解消やダイエット効果が期待できる
 ○老化防止、二日酔いの予防と解消など
色素成分 クルクミン
精油成分 ターメロン
シネオール
α-クルクメン
クルクモール
β-エレメン
パラ・メチロル
イルカピノール
アズレン
カンファー

 春ウコンは精油成分が多く、秋ウコンはクルクミンが多いのが特徴です。どちらかというと春ウコンは循環器系への幅広い薬効が、秋ウコンには特に肝臓に対する薬効が期待できます。したがってお酒のみの方には秋ウコンの方がいいかもしれませんね。

4 ウコンの用法

パンやヨーグルトと一緒に

 クルクミンは小腸で吸収される前に、テトラヒドロクルクミンという物質になります。その際、パンなどに含まれるイースト菌やヨーグルトに含まれる乳酸菌、ビフィズス菌などと一緒に摂取すると効率的に生成することがわかっています。

大豆や卵と一緒に

 クルクミンは、普通に摂取しても小腸にあまり吸収されず、排出されてしまうそうです。そこで、大豆や卵に含まれるレシチンと一緒にとると、吸収されやすい形に変化します。

おいしい召し上がり方

 @ウコンシェイク
   豆乳100ml、ヨーグルト80g、バナナ1本、ウコン5g、天然にがり数滴をフードプロセッサーに入れて、シェイク。ダイエット中はこれで朝食代わり。

 A月見大豆カレー
   材料: 茹で大豆、玉ねぎ、ジャガイモ、ニンジン、豚肉、豆乳、カレールー、ウコン5g/人、ヨーグルト、卵、(できればパン)作り方:豚肉を炒め、鍋に野菜と大豆を煮込む。カレールーとウコンを入れて煮込む。最後に豆乳とヨーグルトを適宜加えて煮立ちさせて完成。食べる前に生卵を落とす。できればご飯ではなく、パンと一緒に食べればパーフェクト。美容やダイエットにどうぞ!

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